2011年7月15日金曜日

SSDがヤバい

普通の人が SSD(Solid State Drive)を使い始めたのは、本当につい最近、ここ1~2年前位からではないでしょうか。一昔前までは早いけれど高価なストレージで、一般人には手が出せないシロモノでした。
それが、この1~2年での、速度の向上価格の下落大容量化半端ではないスピードで進んでおり、かつそのスピードはまだ加速していると言えます。

半導体を記憶媒体として使うという SSDの概念自体はコンピューターの黎明期からあるのだけれども (というか、きっと HDDより古いと思う。コアメモリとか言っても最近の人は知らないと思いますけど… 僕も本物を触っていた人は知ってますが、実物は見たことが無い (^^; )、実際に SSDというものがあると知ったのは10年程前でしょうか。
そこから数年を経て、実際の現場にSSDが現れ始めます。
SSDの歴史と特性についておさらいしてみましょう。


■ DRAMベース エンタープライズ向けSSD

うちの会社のOracle検証メールマガジンでも、2007年に富士ゼロックスの GigaExpressという DRAMベースのSSDを借りて、Oracleを高速化する検証を行っています。

GigaExpressは 1Uサイズの筐体に容量は 8GB~32GB、PCIe1.0 x 4レーンの外部インターフェースで接続されます。スペック上は 650MB/sの読み取り性能を持っていますが、実測値は318MB/sでした。(マシン性能に依存するので、実測値はあくまで社内で計測した値です)
検証時の結論は、以下のようでした。
1. IOネックのデータベースの性能向上にはかなり有効である。
2. ただし容量の問題があるので REDOや UNDOに使用するなど構成を考える必要がある。
3. DRAMベースなので電源瞬断や機器故障に対する対策が必須。

この時の販売定価は 200万円 ~ 500万円で、10GBあたりの価格に直すと 155万円 ~ 250万円です。


また、最近でも売っているのが Texs Memory Systemsの Ramsanシリーズです。
Ramsanシリーズの DRAMベースの Ramsan-440という製品は、4.5GB/sの外部帯域幅(あくまでI/Fのスペック。実測値は不明)を持ちますが、256MBの最小構成で 2,720万円とのこと。10GBあたりの価格は 106万 !!! (2年前の記事の価格なので、今はもっと安くなっているのかしら…)
また消費電力もかなり強烈で 650W !! でした。

この製品の場合、GigaExpressと異なり、電源遮断に対応するために内蔵バッテリーや DRAM上のデータをバックアップするHDDやフラッシュメモリを備えているのが価格を押し上げている要因となっているでしょう。
(※ Ramsanにはフラッシュメモリを使用したモデルもあります)

ここまでをまとめると、DRAMベースのSSDは、アクセスは確かに早いのですが、容量が限られていることからデータ特性に応じたきちんとした物理設計が必須であること、価格がバカ高いので簡単には購入できないこと、容量に応じて消費電力が非常に大きくなることなどが言えます。なので、あえてエンタープライズ向け と位置づけました。

2720万 というと、そんなものかと感じるかもしれませんが、10GBあたり 100万円を越えているわけですから、だったらメモリが沢山載るサーバーにしてRAMディスクとして使ったり、Oracleのバッファとして使ったほうがよっぽど良いのではと思ってしまいます。アキバのメモリだったら 10GBで 5000円位です。さすがにメーカー製は高いと思いますが、20倍としても 10万円です。

今日はここまで。
次回はアキバでも買える SLCフラッシュベースの SSDについて書きます。

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